ChatGPT☓Claude CodeでAI駆動研究環境を構築する

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こんにちは!

今日は、モテサクが真剣に提案したい「研究開発プロセスの革新」について、ちょっと熱く、でもゆるりと書いてみたいと思います。

研究開発の現場にいる皆さん、日々の業務、本当にお疲れ様です。

新しい発見のために戦っている皆さんの姿には、心からリスペクトしかありません。

でも、同時に私自身、こうも感じているんです。

「研究そのものより、

その『準備』や『整理』に時間を取られすぎていないか?」と。

今日は、そんな現場の「あるある」な悩みを解決し、

もっと本質的なことに集中するための「研究者OSを構築する」というチャレンジを紹介します。


「もっとスキルを磨け」という無理ゲー

研究の現場って、どうしても属人化しやすいですよね。

例えば、ある観測データの処理方法はAさんの頭の中にしかなくて、Bさんがそれを再現しようとすると微妙にズレる。「秘伝のタレ」みたいな状態です。

これに対して、よくあるアドバイスってこういう感じです。

  • 「プログラミングスキルをもっと上げよう」

  • 「ドキュメントを完璧に残そう」

  • 「誰が見てもわかるように標準化してメタデータを残そう」

これ、言ってることは正しいんです。正論です。

でも、これを言われると正直しんどくないですか?

ただでさえ専門分野の論文を読んで、仮説を立てて、実験しているのに、その上「プロのエンジニア並みのコーディング」や「完璧なマニュアル作成」まで求められる。

これは例えるなら、サッカー選手に「最高のシュートを決めてね。あ、ついでにスタジアムの建設と芝生の整備もプロ並みにやっといて」と言っているようなものです。

物理的に無理です。

その結果どうなるかというと、みんな疲弊します。「議論が噛み合わない」「引き継ぎができない」「あの人がいないと動かない」という、おなじみの地獄が生まれるわけです。

自分の「脳みそ」をOS化する試み

そこで私がこのお正月に試してみたのが、「過去に書いてきたプログラムや論文原稿を集約してAI駆動に適した環境を作ろう」という発想です。

これを私は「研究者OSの構築」と呼んでいます。

これ、ものすごくざっくりいうと、

「自分の頭の中にある『こだわり』や『思考のクセ』を全部AIに吸い出してもらい、自分専用の最強の執事をパソコンの中に住まわせる」

ということです。

具体的には、ChatGPTとClaude Codeという2つのAIを使って、こんなことを実現します。

1. 「暗黙知」を「形式知」にする

まず、「なんとなくこうしている」という自分の中のルール(暗黙知)を、ChatGPTとの対話を通じて言葉にします(形式知)。

「過去2年以上にわたるChatGPTとのやりとりには、研究哲学と思考の特性が詰まっているはず」

これ、思ったことありませんか?

私が提案する手法では、過去のログをAIに分析させて、「あなたはデータをこういう基準で捨てますよね」とか「統計処理にはこのこだわりがありますよね」というのを、自分以上に言語化してもらいます。

これを「SystemImplementation.md(研究者OSドキュメント)」として保存します。これが研究者モテサクの「分身」の設計図とするのです。

2. 「ブラックボックス」を開ける

次に、そのドキュメントをもとに、ターミナルのコマンド型AI(Claude CodeやCursor、Antigravityなど)でローカル環境(自分のPC)の中に開発環境を作ってもらいます。

ここでは、「なんとなく」が許されません。

「データ処理は必ずこの手順を通す」「エラーが出たらこう対処する」というルールが、プログラムとしてカチッと決まります。

こうなると、「Aさんのやり方」ではなく「チームの標準的なやり方」になるので、誰がやっても同じ結果が出ます。議論で「それってあなたの感想ですよね?」となる不毛な時間が激減する未来が作れるはず。

3. AIが「専属エンジニア」になる

これが一番面白いところなんですが、このシステムを構築し、育てていくと、Claude Code、Cursor、Antigravityがただの便利チャットボットじゃなくなります。

プロジェクトの中に、

  • SKILL.md(技術スキル定義)

  • CLAUDE.md(振る舞い・ルール定義)

というファイルを置いておくだけで、Claudeはそれを読み込み、「モテサクの研究テーマとデータ処理と課題の文脈を完全に理解した専属エンジニア」として振る舞い始めます。

いちいち「私はこういう研究をしていて…」と説明しなくていいんです。「いつものあれお願い」で通じるようになります。

気象学、海洋学の専門用語や特殊なデータの名前や業界的な言い回しをちゃんと分かってくれるようになり、いい感じで解析の処理や作図や文章生成までやってくれます。


とはいえ、イメージしづらいですよね?

「言いたいことはわかるけど、実際どう動くの?」

「本当にそんなにうまくいくの?」

そう思うのが普通だと思います。文章だけで説明されても、なかなかピンとこない部分もあるかと思います。実際、まだお正月からやり始めて一ヶ月経ってないチャレンジでもあります。

というわけで、

この「研究者OSの構築」を実際にどうやるのか、どんな風にAIがサポートしてくれるのかをまとめた動画を作ってみました。

百聞は一見にしかず、です。

ちなみに、この動画自体もAIで作りました。

モテサクのMacに構築した研究者OS上で、「このシステム自体を説明するプレゼンテーションスライドを作って」と依頼して、PDFを作りました。

もし「ちょっと面白そうだな」「自分の研究生活が楽になるかも」と少しでも思っていただけたら、ぜひ一度、この動画を見てみてください。

きっと、「あ、こういう世界があるかも」と、新しい可能性を感じていただけると思います。


AI for Science。

科学の未来を変えるのは、スーパーマンのような個人の努力ではなく、こういう「仕組みのアップデート」だと私は信じています。

ぜひ、動画でその世界観を覗いてみてください!

動画内でこのプロンプト使ってみて、というファイルがこちらです。

1. ChatGPTに過去のチャット履歴から研究哲学と思考を仕様書に落とし込むプロンプト

2. 1で作った仕様書をアップロードしてClaude Codeにわたすプロンプト生成のためのプロンプト

モテサクのMacで3回ほど、ゼロから構築の再現をやってみて、ちゃんと再現できると確認してあります。

どの程度のことができるか、ということで、直近の自分の論文原稿を教師データにして、それを正解としたときにどの程度の前提情報を与えたら再現できるかを試したりしています。

データソースや処理手順、現象の定義などを論文原稿のイントロダクションや手法のセクションから抽出させて、それだけの情報で、同じ図をちゃんと作ってくれました。

図表のキャプションや文献リスト作成とかも、自然言語で頼めば、かなりできます。

その再現過程におけるデータ処理の手順や統計的検定の採用などについて、自動的に詳細手順をドキュメントにして記録し、他の解析でも参照できるようにしてくれることまでは確認できました。

結構行けると思う!

motesaku
気象楽者 海洋研究開発機構 研究員 東京学芸大学教員養成課程 非常勤講師(地学実験・気象楽プログラム担当) 39歳 気象楽者。 2012年「梅雨前線の正体(東京堂出版,2015年現在3刷り)」を上梓し、気象学を童話的ストーリーで「文系だから・・・」と苦手意識を持つ人達にこそ伝え、楽しみ、共に考える取り組みを始める。 しかし、ただ親しみ、楽しむだけでは、天気・気象に「受け身」のまま、情報に振り回されてしまう人が多いことに気付き、「能動的」に天気と付き合い、向き合うための活動として、「サイエンスパフェ」を始める。 2013年「天気と気象についてわかっていることいないこと(ベレ出版)」を上梓し、気象学と日常生活を楽しみながら能動的に結びつけるための方法を提案する。 2014年4月「ニコニコ超会議・ニコニコ学会β」に登壇し、4万人の視聴者の前で「JAMSTEC・・・大丈夫か」と心配される。 NHK教育テレビ「学ぼうBOSAI」の出演・製作を経験し、災害情報発信の在り方を模索する中、講演依頼の増加に伴って、全ての人が災害を倒すためにできることに向き合う「災害バスターズプログラム」を立ち上げる。 生い立ちや赤裸々なプライベートはこちらを。 モテサク伝説@storys.jp

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