海に響くお天道様とお月様の歌声

定点における3時間毎のCTD観測は、海の中の様々な声を聞き取るためのものです。 水深0-30mの表層海水は、お天道様と斉唱、80mより深くなるとお月様も加わります。 多分、もうちょっと低い声でその後ろにコーラス隊もいるはずです。 高頻度の作業は、そうした様々な旋律を聞き漏らさず記録するために、どうしても必要なのです。 モテサク

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海の中の騒がしさは吹き抜ける風次第っす

12月5日から3時間毎のTurboMAP観測が始まりました。 水深300mまでの海洋表層は先週ずっと吹いていた強い西風によって随分と賑やかになっているようです。 海面を吹き抜ける風は、海の中に乱流運動をもたらし、海面は熱や水蒸気を大気に返します。 そんな吹き抜ける風と海の楽しげな会話は劇的な物語を構成しているので、それらは僕らにとっても傾聴に値することなのです。 作業はしばしばトラブルシューティングを要したりもしますが、観測自体は極めていーー感じです(・∀・)

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ADCP流速計の回収・設置

11月25日早朝、赤道上の東経90度に到着。 午前中は、二年間海の流速を測り続けたADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)係留系を回収。 午後は、これから二年間の流速を測り続けるADCP係留系を設置。 波高が2〜2.5メートルでかなり揺れがあり、ちょっとした物の移動にも慎重を要する。 天候は、幸い雨もなく暑すぎない曇天で、淡々と確実に作業が進められていく。 ADCP係留系は、水深4085メートルに重りをつけて沈め、ADCP本体は浮きによって水深400メートル付近に係留される。 水深400メートルから上向きに音波を発してドップラー速度の計測によって0-400メートルの水平流速の分布を継続して測り続ける。 赤道上、東経90度の観測点は、2000年から開始され、観測途絶期間が少ない非常に貴重な測点として維持されている。 2年分の観測データは、全て係留系内部のロガーに収められており、今回の作業で過去二年分のデータをようやく解析することができる。 本日設置した新しい係留系もこれから二年間、流れに耐え、水圧に耐え、腐蝕に耐え続けなければ、データとして2年後に報われることができない。 こうした測器には様々な時間的あるいは物理的な特徴があり、それが測る対象物の性質に沿って発展してきた。 その発展の中で、研究者自身の考え方や価値観も同時に相互作用しながら形作られていく。 粛々と進む現場には、船員と技術者と研究者が長年形作ってきた価値観が凝縮された空気に満ちている。

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幸先の良い土砂降り

昨日、シンガポールを無事出港しました。 出港後しばらくして、時間雨量100ミリを超える土砂降りに。 視程も数百mになり、周りに見えていた貨物船の姿がなくなり、ドキドキしました。 雨雲は、マラッカ海峡を挟んで西側のスマトラ島でできて押し寄せてきた南北に数百km規模のかなり大規模なものでした。 インド洋から海大陸域全体としてみても、調査対象となりそうな雨雲が広がっています。 観測航海に出ると、とにかく雨雲が広がっている事自体にとても癒やされます。

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ミライを真上から見下ろす@シンガポール港

モテサクです。 明後日から始まるインド洋観測航海を待ちつつ、R/V Miraiはシンガポールの港に停泊中です。 島から島へ渡るゴンドラリフトが、丁度、停泊している岸壁の真上を通っていたので、こんな素晴らしいアングルからの「みらい」を見ることができました。 今日と明日、もう少し出港の準備をしたら、いよいよ長い長い45日間の旅が始まります。 今回集まった研究者や大学生達もとても良い雰囲気で、ハッキリ言って良い予感しかしない! いや、色々きっと大変なこともあるだろうけど、モテサクは光しか見ない! と意気込みつつ、シンガポールの強い日差しに若干、目をヤラれております。 明日はサングラスして出歩こう。。。

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頻発する梅雨末期の豪雨は地球温暖化のせいなの?

  2017年梅雨末期は、立て続けに各地で豪雨が発生してますね。主な4つは次のとおり。 1.7月5−6日九州北部の大雨(福岡県朝倉市で2日間総雨量586.0ミリ、気象庁によって平成29年7月九州北部豪雨と命名) 2.7月17日新潟県の大雨(佐渡市両津付近で1時間に約110ミリ) 3.7月22-23日秋田県の大雨(2日間総雨量300ミリ以上、雄物川では、川の水が堤防を越え、2万人に避難指示) 4.8月1日神奈川県の大雨(海老名市で1時間に120ミリ、綾瀬市を流れる蓼川2カ所で氾濫、約10万人に避難勧告) 1日以上同じ場所で大雨が続いたり、ごく短時間に猛烈な雨が降ることで、現状の治水の限界を超えてしまうと、被害が大きくなります。 このとき、多くの人から寄せられる素朴な疑問の一つが 「これらの豪雨は地球温暖化のせいなの?」 ってこと。 でも、科学的に真摯なら、その疑問に対して簡単に「YES」とは言わないはずです。 例えば、 「数十年以上の長期的な傾向として、日本でも大雨の日数が増えていることは確か。 その傾向が生まれる原因として地球温暖化が関係している可能性は高い。 しかし、個々の大雨について、地球が温暖化していなければ絶対に起こらなかったか、と言われればそうとは言えない。」 という感じ。 こうした答え方は誠実です。 でも「ちょっとスッキリしないし、回りくどいし、他の人に説明しにくい」と思う人も多い。 こっちからすると、なんとなく言葉を濁しているわけでは全然ないのです。 個別の大雨事例に対して、 地球温暖化が具体的どのように関わっていたかを科学的に誠実な態度で示すには、 その証拠を集め、多角的に検証することがどうしても必要です。 では、結局「わからない」ということで話が終わりでいいのか。 いやいや。 過去の豪雨事例については、地球温暖化との関係という視点で検証する研究がちゃんとあります。 例えば、5年前の2012年7月11−14日に九州北部で発生した平成24年九州北部豪雨。 熊本県阿蘇乙姫で4日間の総降雨量800ミリ以上、死者行方不明者合計32名、住宅の全壊・半壊合計1000棟以上の豪雨。 これについては、「海洋の温暖化」との関係が検証されています。 この豪雨について、東京大学・長崎大学・防災科学研究所・海洋研究開発機構の研究グループは、東シナ海の海面水温の影響に注目した検証を行いました。検証の手順は、大きく3段階に分けられます。 ①平成24年九州北部豪雨の4日間の降水分布を、実際に観測された気象条件と海洋条件を全て使ってコンピューター上でシミュレーションします。 図1 平成24年九州北部豪雨の(a)気象庁レーダーによる降水分布と(b)実際の気象条件と海洋条件を与えたシミュレーションによる降水分布。左から7月11日、12日、13日、14日の日雨量。Manda et al. (2014)より引用。 まず、①でこの豪雨事例が、現在のシミュレーション技術で十分に再現できる、という大前提を確認します。 この前提が得られなければ、「この豪雨に対する温暖化の影響」を検証しようとしても手段がなくなっちゃうので。 ②その豪雨のシミュレーションを、気象条件は同じままで、東シナ海の海面水温を6月並に低くした条件と8月並に高くした条件に置き換えて、結果を比較します。 図2 平成24年九州北部豪雨の(a)6月から8月まで季節的に上昇していく水温をそれぞれ与えたシミュレーションによる降水分布と(b)シミュレーションごとの九州全域平均の4日間総雨量(棒グラフ)および東シナ海南部の領域平均した海面水温(オレンジの四角)。Manda et al. (2014)より引用。 次に、②のシミュレーション結果(図2)を比べると、海面水温の上がり下がりに対して、明らかに降水量が増減し、この豪雨の発生に対して、海面水温の条件が重要であったことが示されました。 ③東シナ海の海面水温を温暖化の結果として予測されるいくつかの推定値(現在より2℃前後上昇した分布で28℃以上の水温の領域が拡大)に置き換え、気象条件は同じままでやり直してみて、九州全体で平均した総雨量値を比較します。 図3 平成24年九州北部豪雨のシミュレーションを様々な海洋条件で行った九州全域平均の4日間総雨量。PCは、現在気候(Present Climate)の条件、40、90は、2040年代、2090年代の温暖化予測結果を条件に用いたことを示し、SとAのラベルは、それぞれSSTだけ、もしくは気温の鉛直分布だけを置き換えたことを示す。水色、オレンジ色、灰色の棒グラフは、それぞれ32種類の温暖化予測結果を条件に用いた中での最小値・平均値・最大値を示す。Manda et al. (2014)より引用。 さらに、③で様々な海洋条件でのシミュレーションの結果を比べて、温暖化に伴う東シナ海の水温上昇によって降水量は30%〜45%も増大しうることが示されました。一方、Aのラベルがついた棒グラフに注目すると、海面水温は同じままで、温暖化で予測される気温だけを上昇させた条件で行ったシミュレーションでは、明確な降水量の変化は起こっていません。 このようにたった一つの事例の豪雨に対して、温暖化との関係を検証するには、具体的な大雨のできるプロセスに対して、様々な仮説を立てて一つ一つ見ていく必要があることがお分かりいただけると思います。一口に「温暖化」と言ってもその中身を具体的に考えてみると、「気温が1℃上がるのか、2℃上がるのか、日本付近のどこであがるのか、水温が1℃上がるのか、2℃上がるのか、全体的にあがるのか、分布が変わって平均値として上がるのか」といった条件次第で、豪雨に対する影響は大きく変わってきます。平成24年九州北部豪雨の場合は、「気温の温暖化」ではなく、「海面水温の温暖化」と関係していることが検証されましたが、どの豪雨についても同じことが言えるとは限りません。 それは、雨をもたらす積乱雲が、どうやってより長く維持されていたか、どうやってより強く発達したか、といった気象条件・海洋条件が、それぞれの豪雨の事例によって違うからです。「どうして雨の量が増えたのか」という同じ疑問に答えようとしていても、多くの事例で共通した基本的なプロセスと個々の事例によって特殊な条件が重なった結果のプロセスを分けて考える必要があります。個々の事例の特殊な条件に対して、さらにその条件に対して「温暖化の影響の有無」を検証することはとても難しくなります。しかし、一方で、基本的に共通した雨のできるプロセスに対しては、気温や海水温の条件を変えてシミュレーションしてみることで、雨の増減だけを確かめれば、「温暖化の影響の有無」を検証することができます。 では、「基本的に共通した雨のできるプロセス」とはどのようなものでしょうか?日本で発生する多くの豪雨に共通しているのは、「線状降水帯」とよばれる積乱雲の長い列が長時間同じ場所で維持されることによって、特定地域での総降水量が結果的に大きくなるということです。強い雨をもたらす積乱雲は、実は一つ一つは、寿命が1時間程度で大きさも10㎞四方がせいぜいです。従って、たった一つだけ、非常に発達した積乱雲がたまたまできただけでは、豪雨になることはありません。次々にたくさんの積乱雲が同じ場所ででき続けた結果として、「線状降水帯」として強靭で巨大な組織が結成されて同じ場所に居座り続けたとき、その場所で豪雨となるわけです。 図4 気象庁レーダーによって観測された平成24年九州北部豪雨発生時の降水分布(2012年7月14日8時40分)。気象庁のホームページよりダウンロードしたレーダー解析雨量分布に一部改変。 「線状降水帯」の中で積乱雲の列が維持される仕組みは、「バックビルディング(後方形成)」とよばれます。平成24年九州北部の場合、4日間で線状降水帯が何本も形成されていました。図4は、その一例で7月14日朝8時40分の降水分布です。九州西方海上の地表付近は、暖かく湿った南西風が九州に向かって吹いていました。積乱雲の一つ一つは、地表付近の風向きに対して風上になる南西端でできて、風で流されて北東方向へ動きながら成長していきます。線状降水帯の横から見てバックビルディングが起こる様子を模式的に描いた図が、図5です。 図5 バックビルディング(後方形成)の模式図。世界気象カレンダー2014の記事より引用。 よく「暖かく湿った南風が流れ込んで雨が降る」と言われますが、湿り方には、東シナ海の海面水温が大きく影響しています。海面水温が高くなると、含まれる水蒸気の量が大きくなり、積乱雲ができやすくなります。また、雨が持続するためには、その原材料である水蒸気の量がそもそも大きくなければすぐ途絶えてしまいます。つまり、バックビルディングによる線状降水帯の維持される時間は、南風によって運び込まれる水蒸気の量で決まります。そして、その水蒸気の量は、東シナ海の海面水温の高ければ大きくなります。だから、海洋の温暖化によって、平成24年九州北部豪雨のような事例が、将来さらに起きやすくなるだろう、と予測されるわけです。 たった一事例の豪雨に対してでも、これだけの具体的なプロセスを一つ一つたどって、温暖化との関係を検証していく必要がある、ということがお分かりいただけたでしょうか?最後に、今年の2017年7月5日に発生した平成29年九州北部豪雨について、東シナ海の海面水温の影響はどうだったのか、について状況証拠を一つ示します。図6に示すように、東シナ海の海面水温は、熱帯並の水温27℃以上の領域が広く分布していて、全体的に例年よりも2−3℃高くなっていました。どのような仮説を立て、どのような検証を行うべきか、平成24年と今年の違いは何か、など様々な課題に対して、温暖化の観点も勿論含めた上で検証していくことが必要です。 図6 過去30年平均の海面水温に対する2017年7月5日の海面水温偏差の分布。気象庁のホームページよりダウンロードした分布に一部改変。

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醜さを隠さない率直さが何よりも眩しい

先日乳ガンで亡くなった小林麻央さんの報道にまみれて、異色な記事が多くの知人にシェアされているのを読み、その先まで行ってみた。 記事にも感銘を受けたが、著作も凄かった。 ガン闘病云々とは関係なく、多くの人が救われる著作だと思う。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52200 彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか ‪松さや香 著 「醜さを隠さない率直さが何よりも眩しい」 笑ったり、同情したり、泣けたり、イラついたり、を小気味好く繰り返しながら、乳ガン闘病の凄絶な現実を時系列で共に生きていくような傑作。 ガン闘病に対して刷り込まれて来た「愛と絆で乗り越える美しい感動ドラマ」に著者自身が苦しみながら、それらを笑いに変え、湧き上がる醜い依存心を正確に公にする。 闘病の告白のフィルターを通して綴られた現実は、意外にもガン闘病と関係なく誰しもが抱く心情と葛藤を軽妙に浮き彫りにしていて、本当に見事で哀しくも爽快な読後感だった。 ここまで自分の内側を隠さないで書かれた文章は正直初めてで、私にとっては、醜さを隠さない率直さが何よりも眩しく見えた。 元になったこのブログはその後も同じ調子で続いている。 http://blogs.elle.co.jp/allblogs/

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Pre-YMC観測期間中のMJO通過時に 劇的に発達したスマトラ西岸沖バリアレイヤーの形成過程

2017年度日本気象学会秋季大会 講演要旨 茂木耕作・勝俣昌己・米山邦夫・安藤健太郎・長谷川拓也 (海洋研究開発機構) 1. はじめに 2015年11月から12月にPre-YMC観測キャンペーンの一環としてスマトラ島西岸約55km沖合(南緯4度、東経102度、水深500-800m)で観測船みらいによる定点観測が行われた。当該海域では、継続的な日変化対流によって海洋表層の水深20mまでが極めて低塩分であり、強い表層の成層構造によって海面水温が上がりやすい。また、沖合200㎞ほどにある海嶺構造によって外洋と隔てられているため、流速が極めて小さい(0.2m/s以下)。こうした特徴の海域における大気海洋相互作用の具体的な過程はほとんど研究がなく、また、海洋モデルにおいても表現しにくいのが現状である。 Pre-YMC観測後半ではMJOの通過が捉えられ、同時に海洋の塩分成層によって形成されるバリアレイヤー(等温層深と等密度深の差)の劇的な発達が観測された。12月13日の24時間でバリアレイヤー層厚は5mから60mになり、17日までの5日間で最大85mまで急激に発達した。本研究では、バリアレイヤーの形成過程について、MJO到来前までの表層の淡水流入とMJO到来後の塩分成層の鉛直混合の影響を中心に調べた。 2. 結果 図1は、観測船「みらい」の定点における密度と塩分鉛直傾度の鉛直時間断面である。ここでは、10mを参照深度として等密度層深度(MLD、⊿σ(S, T+0.2℃)、破線)と等温層深度(ILD、⊿T=0.2℃、点線)で定義し、0-10mの表層にも強い成層があるため、10mと6mの密度差から表層淡水化指標(図1aの上部の棒)を設定した。 ILDの変動に注目すると、12月13〜17日までのMJO以外に、11月26〜30日と12月4〜7日の2回の大気擾乱に伴う深度増加が見られる。一方で、MLDはMJO以外ではほとんど変動していない。これは、参照深度とした10mよりもさらに浅い表層の淡水化によって強い塩分成層が維持されていたためだと考えられる。すなわち、MJO以外の弱い大気強制では、表層の温度成層のみが緩和されてILDは20mほど深まるが、塩分成層が解消しきらないためにMLDが深まらず、20mほどのバリアレイヤーが形成されている。 しかし、MJOの西風バースト(地表風速約10m/s)に伴う強い大気強制によって、表層の塩分成層も解消され、MLDがILDの一日遅れで深まっている。表層に強い塩分成層がある場合は、このMLDとILDの深まりの時間差が生じるため、結果的にバリアレイヤーの急激な発達が起こると考えられる。 そうしたバリアレイヤーの形成過程は、水平移流や水平流シアの小さい条件下で、鉛直混合が主要であったことと整合している。図1bは、塩分鉛直傾度時間変化項で、バリアレイヤーが厚くなる期間には、上層に負、下層に正のペアが現れている。これは、上層の塩分成層の緩和分を鉛直混合によってより下層へ輸送する過程と整合する分布である。さらに、淡水流量の正負の変動(図1b上部の棒)とも整合的であり、この海域の海洋表層が鉛直一次元的に大気に応答していたことを示している。 図1:研究船「みらい」のCTD(3時間毎) による深度時間断面図(a)密度(kg/m3)、(b)塩分鉛直傾度の時間変化(×10-1 psu/m/day)。(a)の上部は、水深6-10mの密度鉛直傾度(kg/m4、表層淡水化指標、右軸)、(b)の上部は、淡水流量(×10-1 m/day、降水と蒸発量の差、右軸で海洋に流入する成分を正)を示す。破線と点線は、水深10mを基準に0.2℃相当の密度差で定義された混合層、水温差0.2℃で定義された等温層。太い実線は、29℃の等温線で示されている。全ての変数は、潮汐変動を除くために24時間の移動平均をかけた。 3. まとめ Pre-YMC中に捉えられたMJO通過時のバリアレイヤーの形成過程として、MJO到来前までの表層の淡水流入とMJO到来後の塩分成層の鉛直混合の影響を中心に調べた。MJOの西風バーストに伴う強い大気強制によって、ILDは一気に深まったが、表層の強い塩分成層があったため、MLDの深まりは一日遅れになり、バリアレイヤー層厚が増大した。こうした一連の過程は、現状の海洋客観解析では、表層の鉛直分解能が不十分なためにうまく表現されていない。また、観測解析においてもMLDやILDの参照深度10mとする場合が多いが、0-10mの層における成層の強さによって過程が異なることを考慮した解析が今後必要である。

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