先日乳ガンで亡くなった小林麻央さんの報道にまみれて、異色な記事が多くの知人にシェアされているのを読み、その先まで行ってみた。
記事にも感銘を受けたが、著作も凄かった。
ガン闘病云々とは関係なく、多くの人が救われる著作だと思う。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52200
彼女失格 恋してるだとか、ガンだとか
松さや香 著
「醜さを隠さない率直さが何よりも眩しい」
笑ったり、同情したり、泣けたり、イラついたり、を小気味好く繰り返しながら、乳ガン闘病の凄絶な現実を時系列で共に生きていくような傑作。
ガン闘病に対して刷り込まれて来た「愛と絆で乗り越える美しい感動ドラマ」に著者自身が苦しみながら、それらを笑いに変え、湧き上がる醜い依存心を正確に公にする。
闘病の告白のフィルターを通して綴られた現実は、意外にもガン闘病と関係なく誰しもが抱く心情と葛藤を軽妙に浮き彫りにしていて、本当に見事で哀しくも爽快な読後感だった。
ここまで自分の内側を隠さないで書かれた文章は正直初めてで、私にとっては、醜さを隠さない率直さが何よりも眩しく見えた。
元になったこのブログはその後も同じ調子で続いている。