Facebookメッセージでポンと依頼の入った
とってもフシギな取材を受けました。
滝澤美奈子さんというサイエンス・ライターさんで、
司会をしてくださった方です。
時事通信社のこども向け科学コラム
を連載されていて、
光栄にもモテサクに声をかけてきてくださいました。
こどもたちに向けて
今のモテサクの研究
テキトーに色々しゃべっ
ある意味、普段の研究所内では、
しょっちゅうやっているこ
お相手が、気象学の専門的な知識
でも科学の基本はおさえている、
という
自分の口から出てくる言
今まで思いつかなかったこ
取材を受けながら思うこと。
人間の思考は、
出会った人との相互作用でみるみる変化する、
という自然の摂理を、
いつもより もロコツな感じで体験した取材でした。
熱帯の気象、
MJOの話からジャカルタの交通渋滞の話へ
あの混沌としているように見える、
でも全く規則がないわけではなく、
あくまで中緯度の僕らから見れば、
という相対的により雑然とした感じ。
そしてより強く溢れだすエネルギー。
単一の強いリーダーが全体を統率する、
のではなくて、
むしろ大量の個がそれぞれ抑えきれない
エネルギーを抱えて、
危なっかしく見えるほどスレスレに
ひしめきながら全体をなす感じ。
あまり絞り込んだ問いかけは、
あえてしない滝澤さんに
モテサクも内側にもってる言葉を
おもむろにテーブルにのせていって、
二人で眺めるような会話。
最初は、今年の3月9日に
話題から。
サイクロンPAM、津波のような被害
(ハフィントンポスト)
南太平洋の小さな島国のバヌアツで
島をほとんどまるごと高潮が襲い、
首都の9割が被災してしまいました。
そんな凶悪なサイクロン・パムを
産み落とした実の親が、
マッデン・ジュリアン・振動(MJO)。
バヌアツを襲ったサイクロン・パムについて
-巨大な雲群MJOとの関係-
気象学としては当然、
サイクロンなり、
ハリケーンなり、
台風なり、
っていうことを学問全体の
大目標として据えてるので、
こういう大きな被害が
起こるたびに改めて、
自分たちの現在地と向き合わさせられます。
MJOの予報がなかなかできない、
という現状は、
中緯度の人達が直接は意識しなくても、
僕らからすると、
結局この課題を乗り越えないと
未来は変えられないよね、
っていう隠れた最大のテーマです。
10年先、20年先に、
一体どれほどの貢献になっているのか、
正直言ってクッキリハッキリした
ビジョンは描けていません。
でもオレたちはイケる。
MJO研究によって
MJOの何か一つでも分かると、
その未来に繋がるんだと信じる根拠があるから、
直近の日本の実生活向上に
直接貢献が分かりにくい研究であっても、
僕らはやり通したいんだと。
それはカッコつけでもあり、
本心でもあり、
迷いもあれば、
やっぱり確信なんだと
気を取り直したりもする。
今の週間予報を扱う感覚で、
1ヶ月予報を人々が
当たり前に利用する近未来。
それにきっとつながってるんだと。
2時間以上かけてそんな話を
右往左往しながらも
引き出していただきました。
終わってみると想像以上に
混沌としたまと
と思った所へ、
「ああ、これなら書けます」
の一言が・・・
「これで書けるんですか?!!!」
ライターさんってスゴイと思うわ。
ほんとに。
2時間の混沌から
300文字に絞り込んで伝わるストーリ
っていうのは、なんか、
複雑な心情や激動の世 の中や人間関係の真理を
和歌に詠みこむ、
みたいな技術と 似てるなー、
と思ったら、
さらに尊敬が深まっちゃったの
サイエンス・ライターさんは、
現代の歌人なのだ。
でも一つ大失敗したことが。
この本のサインもらうの忘れた!!!!