気象は”視覚的興味が理解の入り口”

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史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本

史上最強カラー図解 プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本

【主な登場人物のキャラをつかもう】

日常的に見ているテレビやウェブ上の気象情報.

みなさんはどれくらいの興味で見ているでしょうか?

本書の第一部では,普段「情報」として捉えている様々な画像や説明文を丁寧にほどいています.

フルカラーの図解が巧みに展開され,
より親しみを持って能動的に読み解くためのコツを視覚的に捉えることができます.

アジサイの色が青っぽくなったり,赤っぽくなったりする仕組みや
梅雨明け時にどの種類のセミが鳴くかなど,
動植物と天候変化の対応の説明もとても楽しめます.

【天気を予報する手順を知ろう】

天気予報が毎日伝えられるのは,もはや私達にとって当たり前になっていますが,
その手順を知っている人は多くないはずです.

それらの手順を紐解くのが第二部です.

気象庁がコンピュータで計算して基礎となる資料を作成し,
予報官と呼ばれる人達がその資料から天気図を作成したり,
重要な情報だけを抽出したり.

その結果を気象予報士の資格を持ったキャスターがより親しみやすく,
伝わりやすい言葉で補いながら私達に伝えてくれています.

監修の岩谷キャスターの躍動感あふれる一日をたくさんの写真で紹介したり,
気象庁の現場のスタッフも登場して生の声が掲載されていたり,
天気予報の全ての手順にワクワクが満ちていることを感じ取れるはずです.

そして最後の岩谷キャスターの一言に心を打たれます
「参考書だけでなく,空も見て欲しい」

【大気現象の仕組みと異常気象の中身】

虹,雷,雪の結晶,オーロラ.

美しい写真を眺めるだけでもこの第三部は十分楽しめます.

なんでこんなに美しいんだろう?

そう思ったら,イラストも交えて2ページ以内に
すっきりとまとまった説明に目を通してみると,
きっと「へえ!」の連続です.

そうした視覚的に目を引く大気現象の基本的な仕組みを知ってしまうと,
異常気象というものの中身も今までと随分違った捉え方で深く理解できるようになります.

地球温暖化,という言葉だけは報道などでもいつも聞くけど,
本当にその意味を分かっていたでしょうか?

報道している人自身が実はあまりよく分からずに伝えている場合もかなりあるように思います.

温暖化問題に限らず,ゲリラ豪雨やヒートアイランド現象,

エルニーニョ・ラニーニャなど聞いた報道からなんとなく情報を受け取るよりも,
能動的に考えて判断することができるようになると不必要な不安はなくなります.

この本は,多くなりすぎた情報の波を能動的に乗りこなすきっかけに満ちています.

きっかけをつかむための写真やイラストが一枚,また一枚と増えていけば,
本書を持っている価値は,そのたびに倍増すると思います.

motesaku
気象楽者 海洋研究開発機構 研究員 東京学芸大学教員養成課程 非常勤講師(地学実験・気象楽プログラム担当) 39歳 気象楽者。 2012年「梅雨前線の正体(東京堂出版,2015年現在3刷り)」を上梓し、気象学を童話的ストーリーで「文系だから・・・」と苦手意識を持つ人達にこそ伝え、楽しみ、共に考える取り組みを始める。 しかし、ただ親しみ、楽しむだけでは、天気・気象に「受け身」のまま、情報に振り回されてしまう人が多いことに気付き、「能動的」に天気と付き合い、向き合うための活動として、「サイエンスパフェ」を始める。 2013年「天気と気象についてわかっていることいないこと(ベレ出版)」を上梓し、気象学と日常生活を楽しみながら能動的に結びつけるための方法を提案する。 2014年4月「ニコニコ超会議・ニコニコ学会β」に登壇し、4万人の視聴者の前で「JAMSTEC・・・大丈夫か」と心配される。 NHK教育テレビ「学ぼうBOSAI」の出演・製作を経験し、災害情報発信の在り方を模索する中、講演依頼の増加に伴って、全ての人が災害を倒すためにできることに向き合う「災害バスターズプログラム」を立ち上げる。 生い立ちや赤裸々なプライベートはこちらを。 モテサク伝説@storys.jp

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