虹をくぐり抜ける条件

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真正面から虹をくぐり抜けて
その先のみらいを掴むには、
必ず必要な条件があります。

第一に、

強い向かい風であること。

第二に、

太陽の光に背を向けて進んでいくこと。

第三に、

くぐり抜ける瞬間から
土砂降りの雨に打たれること。

自然とは、そういうもの。

美しい色は、
強い光の反対側に生まれる。

美しい瞬間は、
厳しい環境の中に生まれる。

美しい体験は、
向かっていく者に訪れる。

自然とは、そういうもの。


わずか三分前まで
青空もあったのに。

わずか二分前まで
虹が現れることを
知らなかったのに。

つい明け方まで
そもそも太陽が
顔を出すかも
分からなかったのに。

自然とは、そういうもの。

自然とは、どういうものか。

それが、そこに暮らす人々の
共通した考え方を生み出す。

一日の中でも予想が付かない、
目まぐるしい変化がある。

それを前提に生きる人。

一週間くらい先は、
およそ見通せる周期的な変化。

それを当たり前にできる社会。

一ヶ月以上乾ききったまま
変わりそうもない灼熱。

その中で生き抜くための救い。

自然が僕らに課した前提条件から、
習慣が生まれ、
文化が育まれ、
信仰に繋がる。

気象学、気候学、海洋学、
メガネをかけかえるとそれぞれ
社会の見え方が変わる。

そのメガネをかけて、
社会学も
歴史学も
宗教学も
学んでみたら繋がれる人が
もっともっと増やせる。

こんな人達とは分かり合えない、
と思わざるを得ない人達が
必ずどこかにいる。

でもそんなカベを
ラクにくぐれるドアが
どっかにあって、

それを見つけるためのメガネが、
学問なのかなと。

研究者の存在価値も、
時代の流れによって、
変わっていく真っ只中、
そもそも学問の役割も
決して不変じゃない。

文字を読めた人が
学者だった時代。

知識を広く蓄えた人が
学者だった時代。

縦に掘り下げた人が
学者だった時代。

横に繋げる人が
学者になっていく時代。

時代の変わり目に
真正面から虹をくぐり抜けて
その先のみらいを掴むには、
必ず必要な条件があります。

第一に、

強い向かい風であること。

第二に、

太陽の光に背を向けて進んでいくこと。

第三に、

くぐり抜ける瞬間から
土砂降りの雨に打たれること。

自然とは、そういうもの。

motesaku
気象楽者 海洋研究開発機構 研究員 東京学芸大学教員養成課程 非常勤講師(地学実験・気象楽プログラム担当) 39歳 気象楽者。 2012年「梅雨前線の正体(東京堂出版,2015年現在3刷り)」を上梓し、気象学を童話的ストーリーで「文系だから・・・」と苦手意識を持つ人達にこそ伝え、楽しみ、共に考える取り組みを始める。 しかし、ただ親しみ、楽しむだけでは、天気・気象に「受け身」のまま、情報に振り回されてしまう人が多いことに気付き、「能動的」に天気と付き合い、向き合うための活動として、「サイエンスパフェ」を始める。 2013年「天気と気象についてわかっていることいないこと(ベレ出版)」を上梓し、気象学と日常生活を楽しみながら能動的に結びつけるための方法を提案する。 2014年4月「ニコニコ超会議・ニコニコ学会β」に登壇し、4万人の視聴者の前で「JAMSTEC・・・大丈夫か」と心配される。 NHK教育テレビ「学ぼうBOSAI」の出演・製作を経験し、災害情報発信の在り方を模索する中、講演依頼の増加に伴って、全ての人が災害を倒すためにできることに向き合う「災害バスターズプログラム」を立ち上げる。 生い立ちや赤裸々なプライベートはこちらを。 モテサク伝説@storys.jp

1件のコメント

  1. みらいからの便り、興味深く読ませてもらっています。凄い体験ですね。羨ましい!乗りたい!そして、今回のお話、凄く感銘を受けました。ありがとう!
    お願いです。虹の写真、テレビで紹介したいのです。いいでしょうか?匿名がいいのかな?

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