モテサクの研究と軍事防衛の関係について

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モテサクの大気海洋研究は軍事研究に関わるのか?

軍事のためにやっていませんが、そう意図していなくても、

利用・応用は可能です。

気象を扱う以上、当然。海洋を調べる以上、当然。

モテサクはそう思っています。

最近、日本学術会議、というエライ先生達の集まりが、

「軍事研究禁止継承」という声明を発表したのだそうです。

http://www.sankei.com/life/news/170307/lif1703070039-n1.html
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/anzenhosyo.html

勿論、個々の研究者が従う義務は全くないし、

自由は保たれていますが、

じゃあなんでわざわざ「声明」なのか、

という思いで悶々としたので、いい機会だから、

ここにモテサク声明も発表しておきます。

モテサクの立場は、

1.日本国民の命を守ることに繋がるならば
軍事技術の発展に貢献したい

2.国益に反する可能性があるならば
国外のいかなる軍事技術研究にも断固関わらない

の2点です。

具体的に考えると、
防衛省、海上自衛隊、航空自衛隊、陸上自衛隊の
国防任務の強化に繋がる研究は、
自分の能力や研究テーマが直接貢献できるのであれば、

「当然ながら是非やりたい」

です。

それが日本国民の安全につながり、
連日ミサイルを撃つような北朝鮮や
国際法を無視して領土・領空・領海を不当に
膨張し続けている中国から迫りくる脅威を
抑止することに貢献できるならば、
国の税金で研究者をしている以上、
やるべきことだと思っています。

一方で、日本はこれまで
「軍事技術には関わらない」と
口ではいいながら、
中国に数多くの軍事技術が流出し、
北朝鮮の核技術者は東大や京大で
学んだ人達だという、
目を背けたくなるような
無惨な現実が有ります。例えば下記のように。

国立大学研究者が北朝鮮核開発に協力 

東京基督教大学教授 西岡力 / 2016.04.04 (月)

下記引用–
再入国禁止対象に在日技術者5人
①徐錫洪②徐判道③卞哲浩④李栄篤⑤梁徳次―である。
①と②は東大生産技術研究所に勤務した経験を持つエンジンの権威で、
北朝鮮に「金剛原動機合弁会社」を設立し、①が社長、②が副社長となり、
ミサイルエンジンの開発をしたといわれている。
③は京大で原子力を専攻し、現在も京大原子炉実験所准教授として勤務している。
国立大学で税金が使われて開発された先端技術が北朝鮮の核ミサイル開発に使われている。
京都大学原子力基礎科学研究本部原子力基礎工学研究部門核変換システム工学研究分野
卞哲浩准教授

色々なところで議論されているとおり、
基礎研究にしろ、応用研究にしろ、
気象学にしろ、他の分野の学問にしろ、
軍事技術にいつどのように流用されるかは、
境界を引くことはまず不可能で、
それでも常に意識されなければならないことだと思います。

「成果を公開することを条件とすればよい」
といったご意見も中にはあるようですが、
僕は必ずしもそう思いません。

国益を損ねるようなことが
明白に懸念されるならば、
厳に秘匿されるべきだと思います。

例えば学術会議の議事録にもあった
実際の例として、中国との産学連携として
日本の大学が中国の企業と共同研究を
行おうというプロジェクトが成立しかけた寸前で、
大学側の調査によりその中国企業の取引相手の80%が
中国海軍であったことが判明し、
中止になった、ということが紹介されていました。

http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/anzenhosyo/pdf23/anzenhosyo-youshi2310.pdf

(安浦委員の発言の一つ目)

上記の例はたまたま寸前のところで
止められた良い例ですが、
軍事研究に詳しくない純粋な研究者ほど、
どのように応用されるのか想像がつかず、
安易に「発展途上国の科学の進展に貢献できる」
という偽りの題目に騙されてしまうことは、
これまで数多くあったそうです。例えば下記のニュース。

ミサイル開発可能な装置の部品を無許可で輸出か 3人逮捕
3月8日 21時08分 NHK
http://bit.ly/2mDPvp9

(タイムリー過ぎてびっくりしました)

日本製炭素繊維を中国に無許可輸出 容疑の商社会長ら3人逮捕 軍事転用か
2015.5.26 19:55 産経新聞
http://bit.ly/2mDWVc1

「さらにイランなどに流出し、ウラン濃縮に用いる

高性能遠心分離機の部品に使用された可能性もある」

(2年前ですが、何故もっと大々的に注意喚起しないのか不思議でなりません)

本当に危惧すべきことはこういうことであって、
自国の防衛への関与に躊躇することは、
その間に他国へ流出するリスクが膨らみ、
むしろ平和を損ねる危険なことだと思います。

僕の研究は、もともとは梅雨の大雨、台風、MJO
といった気象学から入り、
それらの気象に対する海洋の影響
あるいはその逆といった側面から
海洋学に関わっています。

それらが、直接軍事研究になると思ったことはありませんが、
海上自衛隊の海洋データ同化の専門の方から依頼を受けて、
純粋に学術的内容の講演をさせていただいたことがあります。

「海と空とのあいだに〜今日も梅雨の雨が降る?〜」
スライド:
http://bit.ly/2m1Zf9k

動画:
http://bit.ly/ZTSfcw

これは、自衛官の方々に数多くの気象予報士がおり、
数々の任務において純粋に学術的な知見のベースがあることが
重要である、という趣旨でお誘い頂きました。

講演しただけでなく、
当然ながら自衛隊の任務として
どういった目的で
どれくらいの観測データの取得を行い、
気象庁とどのように連携し、
どのような課題を抱えているか、
他の学会や研究会では聞いたこともないような話を
たくさんお聞きしました。

厳密に言えば、
こうした議論をすることだけでも、
軍事研究への関与だと思いますが、
僕は国民の命を守り、
平和を守るという国益に叶うと思いましたので、
積極的にやりとりしました。

しかしその内容を、中国、朝鮮の関係者から
仮に純粋な学会の場で尋ねられても、
爪を剥がされても公にはしないのが
当然のことだと思います。

以上、茂木耕作の考えについて、
軍事技術であるインターネットを利用して、
この投稿を送信します。

勿論僕の携帯電話には、
軍事技術であるGPSが搭載されています。

GPSは毎日の天気予報に水蒸気観測データとして、
測器の位置情報特定技術として、
あらゆる側面から使われています。

ゼロ戦のエンジン技術がもとになって開発された
日本車にも長年乗っています。

こうした軍事技術と境界のない中で保たれている
日本の平和を享受して、
人知れず僕らの安全を守っている自衛官に感謝しながら、
日々、研究しています。

motesaku
気象楽者 海洋研究開発機構 研究員 東京学芸大学教員養成課程 非常勤講師(地学実験・気象楽プログラム担当) 39歳 気象楽者。 2012年「梅雨前線の正体(東京堂出版,2015年現在3刷り)」を上梓し、気象学を童話的ストーリーで「文系だから・・・」と苦手意識を持つ人達にこそ伝え、楽しみ、共に考える取り組みを始める。 しかし、ただ親しみ、楽しむだけでは、天気・気象に「受け身」のまま、情報に振り回されてしまう人が多いことに気付き、「能動的」に天気と付き合い、向き合うための活動として、「サイエンスパフェ」を始める。 2013年「天気と気象についてわかっていることいないこと(ベレ出版)」を上梓し、気象学と日常生活を楽しみながら能動的に結びつけるための方法を提案する。 2014年4月「ニコニコ超会議・ニコニコ学会β」に登壇し、4万人の視聴者の前で「JAMSTEC・・・大丈夫か」と心配される。 NHK教育テレビ「学ぼうBOSAI」の出演・製作を経験し、災害情報発信の在り方を模索する中、講演依頼の増加に伴って、全ての人が災害を倒すためにできることに向き合う「災害バスターズプログラム」を立ち上げる。 生い立ちや赤裸々なプライベートはこちらを。 モテサク伝説@storys.jp

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