冬と梅雨のヒミツの関係?


春一番が吹き,寒かった今年の冬も,

少しずつ終わりに近づいています.

実は,この冬の寒さについて,

全然関係がなさそうな梅雨のヒミツの関係が,

僕は今すごく気になっています.

というのも,本日,下記に公開された

僕の最新論文では,冬から梅雨に繋がる

新しいシナリオを提案しているからです.

それは,

”梅雨前線の季節進行は黄海の暖まり方次第”

http://bit.ly/Xp3eeF

f:id:motesaku:20130301113403p:plain

ということ.
このことを示した僕と万田 敦昌さんの
共著論文が2013年3月1日付で下記に掲載されました.
これまでも学会発表の動画などでお伝えしてきた内容です.

黄海の暖まり方次第が云々,

という論文が何故,

冬と梅雨を繋げるシナリオなのか,

梅雨前線のそもそものでき方から考えてみます.
梅雨前線のできかたの説明として,
中学理科などでは,
「冷たいオホーツク海高気圧と
暖かい太平洋高気圧にはさまれた
2つの気団の境界線」
などと説明されています.
それは間違っていませんが,
なんかモヤモヤしませんか?
豪雨災害などで最も気になる九州などの
西日本での梅雨前線も,
本当に北側の冷たい高気圧は,
オホーツク海高気圧なの?
いや,なんか明らかに違う感じの高気圧が,
よく天気図に現れてるような気がするんだけど.
はい.
そーです.
それは全然別物です.
オホーツク海高気圧じゃないんです.
でも,誰も名前を付けて,
ちゃんと認識してあげてなかったんです.
梅雨前線にとっては,
ものスゴく大事な登場人物なのに.
そこで僕が名前を付けました.

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「黄海高気圧」
黄海は,水深が100m弱しかない,
超浅い海で冬場には,大陸からの寒気で,
キンキンに冷やされています.
5月までは,結構南の緯度にもかかわらず,
普通の深い海よりも水温が10度近くも低く,
当然,その上の大気を冷やす効果があります.
中国の大陸上や日本より東側は,
5月になるとすっかり初夏になっていくのですが,
黄海だけは冬の記憶がまだかなり残っている,
という状態になります.
すると,大気の下の方だけやたら冷やされた
高気圧が黄海に固定してできるのです.
それが黄海高気圧.
この黄海高気圧がどれだけ強いかで,
九州付近の梅雨前線の停滞する位置は,
ほとんど決まります.

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5月の梅雨前線は,沖縄付近に停滞します.
6月,黄海が南から少しずつ暖まると,
黄海高気圧がちょっとずつしぼんで,
北のまだ冷たさが残っている方へずれていきます.
それに応じて,梅雨前線は,
おおよそ九州付近の緯度まで北上します.
7月,黄海の全体がすっかり暖まると,
梅雨前線の北側から太平洋高気圧に対して
押し返す黄海高気圧が姿を消してしまい,
梅雨が空けます.
このシナリオを一言で言うと.
”梅雨前線の季節進行は黄海の暖まり方次第”
ということです.
また,黄海高気圧がどれだけ強くなるか,
ということは,前の冬の寒さにも影響を
受けそうなシナリオです.
その点はまだ鋭意”尾行追跡”中ですが,
このフユとツユの関係,かなりアヤシイ・・・
って思いません?
まだ調査不足で確信はないんですが,
例えば今年の冬はスゴイ寒いので,
黄海高気圧が超強くなったりしないかな,
と思ったりしています.
ということで今年の5月,
黄海高気圧を見かけたら,
ご一報を!(・∀・)
論文PDF
学会発表動画

1件のコメント

  1. 茂木様
    宮嶋@JpGU教育課程小委員会・埼玉・熊谷高校です。
    2年くらい前の京都・防災研での地学教育に関する研究集会でご一緒させていただきました。
    今日、天気図を見ていて、黄海高気圧だな、と思ったのですが、この提唱者が茂木さんだったのですね。失礼しました。
    今後ともよろしくお願いします。

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