モテサク新作、最大のヤマ場の第四章

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「天気と気象について
わかっていること いないこと」
ベレ出版
筆保 弘徳 (著, 編集), 芳村 圭 (著, 編集),
稲津 將 (著),吉野 純 (著), 加藤 輝之 (著),
7人の若手研究者仲間で一気に創りあげた,
新作発売まであと4日。
第四章「集中豪雨の研究」の執筆担当は,
加藤輝之さん.
もはや,この人なくして
日本の気象学は語れません.

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集中豪雨について長年最先端を走り,
予報研究を牽引してきた加藤さん.
その加藤さんが集中豪雨について,
わずか38ページの集中講義で
一気に語りつくします.
例えば「ゲリラ豪雨」という
言葉の由来一つとっても,
こんな経緯で生まれたんだ!
という驚きがあり,
本来知るべき肝はどこなのか?
ということを
考えさせられます.
何年か前に流行語だった,
というだけではない,
民間気象会社やメディアが
使い始めたものの,
使い方として
どういう問題があるのか.
という一方で,実は,
そもそもその言葉を
命名したのは1969年に・・・
ええええ?まさか!
という話で引き付けつつ,
積乱雲一つができるところから,
とにかく丁寧な解説がなされています.
この第四章が本書のど真ん中にあるのは,
ちゃんと意味があります.
アンコのギュギュッと詰まった
たい焼きのような充実感

本書に与えているのが,

この第四章です.
4. 集中豪雨の研究 【加藤輝之】
4.1 集中豪雨の正体、積乱雲
・集中豪雨とは
・積乱雲は対流の仲間
・標高が高いほど気温が低い
・位置のエネルギーと温度のエネルギー
4.2 集中豪雨を生み出す爆薬、水蒸気!
・爆薬である水蒸気のエネルギー
・不安定な大気状態とは何?
・水蒸気量が積乱雲の発生・発達の決め手
・下層の空気を持ち上げろ!
4.3 線状降水帯 ~バックビルディング~
・大雨をもたらす形態
・積乱雲と線状降水帯を結びつける
・バックビルディング形成
4.4 団塊状降水 ~どうして「ゲリラ豪雨」?~
・「ゲリラ豪雨」気象庁職員が命名!
・災害をもたらした降水域はどれ?
4.5 集中豪雨予測への挑戦!
~海上での観測と積乱雲の予測~
・積乱雲を表現するのは大変だ!
・大雨をもたらす水蒸気は海上からやって来る
・海上で水蒸気はどのように蓄積されるの?
・「ゲリラ豪雨」は確率的に起こるはず!
・観測データが大切

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motesaku
気象楽者 海洋研究開発機構 研究員 東京学芸大学教員養成課程 非常勤講師(地学実験・気象楽プログラム担当) 39歳 気象楽者。 2012年「梅雨前線の正体(東京堂出版,2015年現在3刷り)」を上梓し、気象学を童話的ストーリーで「文系だから・・・」と苦手意識を持つ人達にこそ伝え、楽しみ、共に考える取り組みを始める。 しかし、ただ親しみ、楽しむだけでは、天気・気象に「受け身」のまま、情報に振り回されてしまう人が多いことに気付き、「能動的」に天気と付き合い、向き合うための活動として、「サイエンスパフェ」を始める。 2013年「天気と気象についてわかっていることいないこと(ベレ出版)」を上梓し、気象学と日常生活を楽しみながら能動的に結びつけるための方法を提案する。 2014年4月「ニコニコ超会議・ニコニコ学会β」に登壇し、4万人の視聴者の前で「JAMSTEC・・・大丈夫か」と心配される。 NHK教育テレビ「学ぼうBOSAI」の出演・製作を経験し、災害情報発信の在り方を模索する中、講演依頼の増加に伴って、全ての人が災害を倒すためにできることに向き合う「災害バスターズプログラム」を立ち上げる。 生い立ちや赤裸々なプライベートはこちらを。 モテサク伝説@storys.jp

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